「大先生」又吉爆誕! 新芥川賞作家二人の素顔とは?

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龍 雅(りゅう みやび)

第153回の芥川賞は、又吉直樹「火花」、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」に決定。お笑い芸人初の受賞と4回目の候補作でようやくの受賞という、おめでたいダブル受賞となりました。


「火花」又吉直樹 (文藝春秋)
又吉さんの相方、ピース・綾部さんは又吉さんのことを「大先生」と呼び、冗談交じりに「本格的にアシスタントになる覚悟ができました」とコメントし祝福しています。

気になる二人の受賞連絡の瞬間は?

文学賞の結果報告を待つ作家さんたちがどのように過ごしているのか気になりますよね? そこで今回のお二人の受賞報告の”待ちかた”について調べてみました。

・又吉さん

「ホテルオークラでマネージャーとホテルの人と(中略)ドキドキしながら待ってました」、「あまりに緊張しすぎて、待合室でちょっと口つけるだけのシャンパンを結構のんだ」とのこと。

ホテルで受賞を待つって、いかにも作家らしい待ちかたですね。当日は有名ドキュメンタリー番組の撮影も入っていたとのことで、その辺りの配慮もあってのことかも知れませんが、日常から離れた特別な場所で結果を待つのってドキドキしちゃいますよね。

・羽田さん

「銀座のカラオケボックスで作家さんと編集者さんといました」、「受賞したら聖飢魔IIの「WINNER!」という曲を歌うって決めてたんです」、「聖飢魔IIとかX JAPANとかオジー・オズボーンとか歌っていたんです。みんな疲れてきて、なかなか7時を過ぎても電話こなくて、これ嫌な予感するなあと。誰も歌ってないときに電話がきた」とのこと。

羽田さんの方はずいぶん個性的ですね。ちなみに羽田さん、聖飢魔IIメイクまでして歌っていたようです。さすがに4回目のノミネートともなると別の意味で余裕ができるんでしょうか。又吉さんとは好対照ですね。

気になる二人の素顔とは?

又吉さん、羽田さんともいずれ劣らぬ個性的な方ですが、お二人はいったいどういう方たちなんでしょうか?

又吉さんは1980年生まれの現在35歳。小学生からサッカーを始め、高校では関西の強豪北陽高校サッカー部に。当時の大阪府代表としてインターハイにも出場したという、意外や意外のスポーツ少年。大学の推薦を蹴ってよしもとのお笑い養成学校の東京NSCへ入ったところから、お笑いの道が始まりました。現在は相方の綾部さんとピースというコンビで活躍をしています。

一時は綾部さんの方が仕事が多かったのですが、文学賞ノミネート、そして芥川賞受賞で又吉さんの仕事もギャラも増えているようで、綾部さんの「アシスタントになる」発言には仕事に対する危機感もあったのですかね(笑)

一方の羽田さんは1985年生まれの30歳。高校時代は自転車で実業団選手を目指していて、北海道まで自転車で行ったこともあるそうです。そんな自転車に情熱を傾けていた高校時代、17歳の時に「黒冷水」で第40回文藝賞を最年少タイ受賞。その後明治大学商学部に進学し、2008年に初の芥川賞候補になっています。一時は社会人と並行して執筆活動を行っていたようですが、現在は専業作家に。
通算4回目の芥川賞候補にして、ようやくの受賞となりました。

幼少時に車に轢かれながらも奇跡的に助かった経験があるとのことで、もしその時に何かあったならと思うと今回の受賞も運命の不思議さを感じますね。

二人の受賞作について

又吉さんの「火花」はメディアでも多く取り上げられ、ついに100万部突破! 勢いは止まらないようです。

「火花」

お笑いの世界を舞台に不器用ながらも真摯に歩む主人公とその師匠を通して、人間の根底を描いた作品。芸人ならではの笑いも武器にしながら、次第に変わりゆく主人公と師匠の関係性が物語を進めていく。作者ならではの感性を通して人間賛歌を描いた傑作。

羽田さんの「スクラップ・アンド・ビルド」は8月上旬に文藝春秋より刊行予定。こちらも大注目です。

「スクラップ・アンド・ビルド」

要介護老人と就職活動に苦戦する無職青年との息詰まる攻防戦。毎日のように「死にたい」ともらす祖父に安らかな最期を迎えてほしいと、ある計画を立てた主人公が計画を実行する中でこれまで知らなかった祖父の心情を理解していく様をユーモアを交えながら描く。若者が高齢者にどう向き合うかを問いかける気鋭の問題作。

どちらの作品も読み応えある作品で、受賞の理由もうなずけます。未読のかたはこの機会にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

最後に、羽田さんの記者会見での印象に残るひと言をお伝えしたいと思います。記者が作品のターゲットである同世代へのメッセージを求めた時のひと言です。

「それは本を読んでくださいとしか言いようがない。口で言えることは小説で書かない。ぜひ読んでください」
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