小西遼生「『僕がポアロ役!?』って聴き返しました(笑)」 舞台『オリエント急行殺人事件』

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世界的なベストセラー作家であり、“ミステリーの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティによって1934年に発表された長編推理小説「オリエント急行殺人事件」。

名探偵エルキュール・ポアロが登場する人気シリーズとなり、アガサ・クリスティの代表作となった。
そんな名作中の名作が、2017年にケン・ルドウィック版の舞台脚本で世界初演され、今年7月、演劇界の奇才・河原雅彦が日本初演の演出を務める事となった。

本作で主人公・ポアロ役を演じるのは小西遼生。小西といえば今年1月には『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』で魅惑的なアナトール役を演じて好評を博したばかり。

とはいえ、ポアロのパブリックイメージといえば、小柄でややふくよか。頭髪は薄く、そしてピンと跳ねた立派な口ひげという小西とは似ても似つかぬスタイル。この違いに何か作戦があるのだろうか? 何より小西自身はこの作品にどう挑もうとしているのだろうか? ビジュアル撮影が行われている都内スタジオで話を伺った。

<あらすじ>
シリアで仕事を終えた名探偵ポアロは、英国で起きた事件の依頼を受けイスタンブール発の超豪華寝台列車「オリエント急行」で英国へ向かうこととなる。列車に乗り合わせたのは、どこか妙な雰囲気を漂わせる乗客たち。
列車は発車するが、不幸にも旅の途中で雪崩に巻き込まれ立ち往生してしまう。
そんな中、事件が起きた―
乗客の一人、アメリカ人の実業家・ラチェットが鍵のかかった寝室で殺されたのだ。
鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは聞き込みを開始するが、乗客全員からは完璧なアリバイが――。
ポアロはこの謎を解けるのか。
そこには、思いもしない結末が待っていた…


ーー本作のお話が来る前から原作はお読みになっていたそうですね。

大分前に読んでいました。そして2017年にケネス・ブラナーがポアロを演じた映画版が公開された時にも映画館で観ました。原作はミステリーとしての面白さはもちろんあるんですが、最後の方の場面で思わず感動してしまいました。この作品は謎解きが痛快、爽快というより、その答えに関わった人物の背景や心情にグッときましたね。​

小西遼生

ーーならば、この作品のお話をいただいた時、率直にどう思われたんですか?

一番最初にこの舞台のお話をいただいた時、「ああ、あの作品なんだ。で、僕はどの役ですか?」と聴いて「ポアロだよ」と返された時は「ポアロ!?」って聴き直しましたよ!作品名を聴いた時、一瞬「ラチェット役かな?」とか思いましたが、まさかのポアロ(笑)! いわゆるポアロのパブリックイメージは僕自身とは大分違いますから。でも今回、演出が何度かご一緒している河原さんですから、きっと僕なりのポアロを意識して台本を作ってくださるはず。また、作品の本編が原作とそう大きく変わる訳でもないと思うので、少し年齢設定が若めの、新進気鋭の探偵という感じになるんでしょうね。​

ーー河原さんとのお仕事はこれが3作目です。河原さんの演出の魅力はどんなところにありますか?

河原さんは、脚本についてたくさん会話を重ねてくれますし、実際稽古場で芝居を作っている時もあけすけなく言ってくれる方。お客さんに芝居をお見せするまでに、純粋に作品についてどう面白く魅せるかを、僕ら役者と対等な目線で考えてくださる方であり、幕開きまで一緒に戦ってくださる演出家です。

例えば以前出演した『戯伝写楽』では、橋本さとしさん、東山義久さん、そして村井國夫さんというベテラン勢と休憩時間もずーっと脚本の話をしていて「じゃ、それ、試してみよう」て休憩が明けたら早速やっていたりね。脚本の解釈ってとても大事なところじゃないですか。作・演出を全て1人が手掛けるオリジナルならまだしも、今回のような翻訳劇や、他の作家さんが書いた作品となると、より広い視野で作品を知る事が大事。その謎解きを一緒に取り組んでくださる河原さんは素晴らしい演出家さんだと思っています。​

小西遼生

ーー今回豪華な顔ぶれが出演するとあって、お客様の属性もかなり違ってきそうですが、作品の魅力をどう伝えていけばいいと思いますか?

年代によってこの作品の認知度ってかなり変わってくると思うんです。たぶんアガサ・クリスティ作品をよく知っている人って僕より少し上の世代の方が多いんじゃないかな。僕の周りの人では知らない人も結構多いんですよ。ましてや共演する室龍太くんのファンの方などは若い人も多いでしょうから、どの位の方が元々の作品を知って観に来られるんですかね。
今回は客層もバラバラだと思うので、あまり意識を「作品を知っている人」に持っていかないように、ただ純粋にこの作品のおもしろさを伝えるという事に集中したほうがいいんじゃないかなと思ってます。

アガサ・クリスティ作品って今あるミステリー作品の源流の一つだろうから、ミステリー慣れしている人たちにどう伝えればいいのか。今のお客さんはちょっとやそっとじゃ驚かないだろうし、ある程度のひねりは必要でしょうね。
ただ、先にも言ったように、この作品で本当に感動するのはミステリーの「謎解き」の部分だけではなく、キャラクター1人ひとりの心情や正義をどう伝えるかが見どころなんじゃないかと。 少なくとも僕がハマったのはそこなんです。

小西遼生

ーーちなみにキャストの中で、特に共演してみたかった方っていらっしゃいますか?

実は、松村武さんとご一緒出来ることを楽しみにしていました。お仕事をし始めて間もない時に「演出家として」の松村さんと一緒に舞台を作りました。当時は芝居の事もまったく分からない状態だったんですが、松村さんが作る作品や稽古場の雰囲気、独特な長台詞などが好きで、作品にエネルギーと色気を感じていました。そんな松村さんと今度は「役者として」ご一緒出来る事が本当に楽しみです。

ーー話変わって、小西さんのプライベートもお聞きしたいです。オフの日はどんな気分転換をしていますか?

何も考えない、という時間は別に必要がなくて、むしろ何か考えていたり、何か感じていたい方ですね。あと音楽は必要ですね。僕は演奏をする事、歌を歌う事が好きなので、家でギターを弾いたり、最近はピアノを弾いてみたり。あと、海外のラジオを聴くのも好きです。今って世界中のラジオをスマホで聴けるじゃないですか。だからあまり想像がつかない国を選曲してね。最近はアイルランドの音楽が肌に合っているので、ラジオもアイルランドの知らないチャンネルに合わせて流れくる音楽を楽しんでます。​

ーー最後にファンの方も気にしているかもしれない質問を。ポアロの髭は自前で伸ばして頑張りますか(笑)?

(笑)。この量の髭はしばらく伸ばし続けても自前では無理ですね! 付け髭で頑張ります。​

小西遼生

取材・文=こむらさき 撮影=荒川 潤



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