紅ゆずる&綺咲愛里コンビが魅せる、宝塚歌劇星組公演『ベルリン、わが愛』『Bouquet de TAKARAZUKA』ゲネプロレポート!

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タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA』 (c)宝塚歌劇団
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9月29日(金)、宝塚大劇場で星組公演ミュージカル『ベルリン、わが愛』、タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA ブーケ ド タカラヅカ』が開幕した。

開幕初日に行われたゲネプロの模様をお届けする。

■ミュージカル『ベルリン、わが愛』(作・演出/原田諒)

「俺は君を守るんだ、どんな未来が待ち受けようと……」

カンヌ、ヴェネツィアと並び、世界三大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭。現在でこそ映画製作といえばハリウッドの一人勝ちだが、ドイツの首都ベルリンにも、かつて映画の都として隆盛を極めた時代があった。ベルリン国際映画祭に優れた社会派作品が集まる傾向にあるのも、激動の時代に亡命を余儀なくされた先人たちの無念さや気概が、土地の記憶として息づいているからかもしれないーーー。世界初の長編トーキー映画が誕生した1927年、日本では宝塚少女歌劇による日本初のレヴュー作品『モン・パリ』が初演された。そんな奇妙な一致に導かれるように作・演出の原田諒は、“夢を売る仕事”に就く人々の情熱をミュージカル『ベルリン、わが愛』に結実させた。愛するものへの揺るぎ無い信念と希望、何より表現の自由を高らかに謳う、決意のエンターテインメント作品だ。

主人公テオの情熱が仲間の想いを一つにしていく (c)宝塚歌劇団

1927年、ナチス政権下のドイツ。国内随一の映画会社UFAは倒産の危機に陥っていた。巨額な資金を投じた流行監督の怪奇映画も大失敗に終わり、重役の大半はナチスの息がかかった実業家フーゲンベルク(壱城あずさ)へ事業を譲渡するよう、社長に進言する。その場にいたプロデューサのカウフマン(七海ひろき)は、表現の自由を重んじる社長の想いを鑑み、「低予算の娯楽映画で、起死回生を図る」と宣言してしまう。そんな会社のピンチをチャンスに変えた男が、同社助監督のテオ(紅ゆずる)だ。彼は「時代はサイレントからトーキーだ!」とカウフマンを説得し、早速絵本作家の親友エーリッヒ(礼真琴)や新人女優ジル(綺咲愛里)などフレッシュな才能を集め、無謀とも言えるドイツ初のトーキー映画製作へと乗り出す。一方、映画愛好家で知られるナチスの宣伝全国指導者ゲッペルス(凪七瑠海)もまた、映画に新たな可能性を見出だしていた……。

“黒いヴィーナス”ことジョセフィン・ベーカーに出演交渉するテオたち (c)宝塚歌劇団

主人公テオを演じる紅ゆずるは、幸運をつかんだ瞬間、迷いなく周囲をパワフルに巻き込んでいく姿が頼もしい。普段は飄々と明るいのに、ここぞの場面で力を発揮する、紅特有のギャップで魅せる主人公だ。どこか憂いを帯びた瞳も魅惑的で、その視線がジルの瞳と重なるとき、恋のドラマが動き出す。映画スタジオのメイク室や夜の街角で、映画の素晴らしさを少年のような無邪気さで語り聞かせるテオ。

映画への情熱に心通わせるテオとジル (c)宝塚歌劇団

そんな彼のひたむきな情熱が、消極的だったジルの心に灯をともす。蛹が蝶になるように、意志をもった女優へと成長していく。ヒロインを演じる綺咲愛里の演技力にも注目だ。なかでも、ゲッベルスに毅然と言い放つジルの言葉が印象深い。テオと想いをひとつに詩の一節を引用したその言葉は、作品全体を貫く崇高なテーマとして胸に刻まれるだろう。

【写真】967:絵本作家エーリッヒ役の礼真琴 (c)宝塚歌劇団

テオの親友で、実在の絵本作家エーリッヒを演じた礼真琴はアイドル的な魅力を放ち、恋にも芸術にも奥手な文学青年役がよく似合う。純情な歌声が胸キュン必至なエーリッヒの、恋の行方も見所のひとつだ。そして、陽気なムードから一転、後半のスリリングな展開を牽引するゲッベルス役には、凪七瑠海。専科生として初の大劇場公演に登場する。紅と対峙し、時代の驚異をその身ひとつで体現できるのも、説得力のある歌声と芝居心があればこそ。権力を盾にヒロインに迫る、卑劣な悪役ぶりも新鮮に映った。かくして、同じエンターテインメントの世界に身を置く作・演出の原田は、史実を基にどんな結末を描くのか。主人公らの行く末を劇場で見届けて欲しい。

ゲッペルス率いるナチス軍の襲撃にあう映画人たち (c)宝塚歌劇団

■タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA ブーケ ド タカラヅカ』(作・演出/酒井澄夫)

日本初のレビュー作品『モン・パリ』から未来へーー。伝統を繋ぐ“名場面集”!

パリをテーマに様々なシーンが展開する (c)宝塚歌劇団

紅ゆずる率いる、新生星組となって初めてのショー作品。歴史の生き証人でもある作・演出の酒井澄夫が見聞きし、助手として携わった経験を活かし、タカラヅカレビュー90周年の伝統を明日へと繋ぐ。往年の名曲は当時を知る人には懐かしく、若いファンには新鮮さをもって受け止められるだろう、懐かしくも新しい“名場面集”だ。各シーンごとに違う花がポイントに用いられ、全体を通してブーケになるイメージというのもロマンチック!

「恋の花咲く道」より旅人に扮する礼真琴 (c)宝塚歌劇団

紅は文字通り星組の”スター”となって、満点の星空から舞い降りる。プロローグは華やかな衣装をまとった全員でのパレードへ。中詰の「シャンソン・ド・パリ」では小粋なパリのムードが様々な歌や場面によって展開する。紅は「モン・パリ/吾が巴里」では快活で都会的な男を演じ、シルクハットに燕尾姿で歌い踊る「夜霧のモンマルトル」ではしっとりと品のある色香を漂わせる。

「夜霧のモンマルトル」のワンシーン (c)宝塚歌劇団

それでいて、燃えるスパニッシュな男もハマる。芝居仕立てのナンバー「赤い薔薇」では、ヒロインのジプシー女・綺咲愛里を闘牛士風の礼真琴と決闘によって奪い合う場面も。ナイフも飛び出す気迫のこもった展開に引き込まれた。

「赤い薔薇」より紅ゆずると綺咲愛里 (c)宝塚歌劇団

その他、礼真琴、七海ひろきにもソロの見せ場がある。フィナーレは凪七瑠海が歌う「幻(花夢幻)」に乗せて、黒薔薇・白薔薇・赤薔薇に扮した紅、礼、七海がそれぞれペアを伴い、3組のデュエットダンスで魅せるという贅沢な趣向だ。最後に控える、全員によるパレードまで、存分に夢の世界を味わわせてくれる。

取材・文=石橋法子 撮影=森好弘

イベント情報
ミュージカル『ベルリン、わが愛』
■作・演出:原田諒
タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA ブーケ ド タカラヅカ』
■作・演出:酒井澄夫
■出演:紅ゆずる、綺咲愛里、礼真琴、七海ひろき、凪七瑠海 ほか
<宝塚大劇場>
2017年9月29日(金)~ 11月6日(月)
<東京宝塚劇場>
2017年11月14日(金)~12月24日(日)
 



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