一颯の想いが、あなたの心に届きますように!! 『3年A組−今から皆さんは、人質です−』第10話(最終回)レビュー

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長谷部香苗

菅田将暉主演、日本テレビ系列ドラマ『3年A組−今から皆さんは、人質です−』。3月10日(日)夜10時30分に放送された第10話(最終回)は、菅田将暉演じる柊一颯の“命をかけた計画”の全貌が明らかに!! それは、永野芽郁演じる茅野さくらのためでもあった!?


菅田将暉主演『3年A組−今から皆さんは、人質です−』第10話 (c)NTV

前回の放送で、「すべての真実を話す授業」を行なった柊一颯(菅田将暉)。そのなかで、立てこもった最大の理由は、視聴者に伏せられたまま授業は進行。さらに、茅野さくら(永野芽郁)は、景山澪奈(上白石萌歌)を殺したのは自分だと告白し…!?

今回の第10話(最終回)では、一颯は“全国の敵”になるために、SNS・マインドボイスのユーザーに向かって声の限りに吠えまくる!!

計画のクライマックスは、ライブ中継で配信

一颯がマシンガンを手に持ち、瀬ヶ山署刑事・郡司真人(椎名桔平)を連れて、校舎の屋上に現れます。その様子はテレビやネットに中継され、世間の人々は一颯の言動に注目します。

警視庁理事官の本城(篠井英介)がSITに狙撃命令を下し、一颯は胸に銃弾を受けますが、着込んでいた防弾チョッキのおかげで大事には至りませんでした。一颯は世間を煽るように、「明朝8時にマインドボイスのライブ中継で、すべての真相を話す」と予告します。

階段の踊り場で一夜を過ごすことにした一颯は、この計画の経緯を郡司に語り始めます。きっかけは、恋人・相楽文香(土村芳)がフェイク動画によって貶められたこと。フェイク動画を作らせた武智大和(田辺誠一)の犯行を暴くため、魁皇高校に赴任した矢先にガンが再発。そして、澪奈もドーピングのフェイク動画によって苦しんでいることを知った一颯は、これ以上彼女たちのような犠牲者を出さないために、計画を実行に移したのです。

役作りで体重を落としたであろう菅田将暉の頬は、ゲッソリと落ちくぼみ、メイクでは出せないやつれ方がリアルです。

さくらが抱えていた心の闇が明らかに!!

一方教室では、澪奈が亡くなる直前、澪奈と一緒にビルの屋上に行ったのは私だと、さくらが告白します。あの日、澪奈の本当の気持ちに気づくことができず、みんなと同じように澪奈を避けていたことを謝るさくら。ですが澪奈は、「さくらが味方なのは、わかっている。でも、みんなが敵に見える…だから、もう無理なんだ」と言って、ビルから飛び降りようとします。さくらは必死に澪奈の手を掴みましたが、「もう限界なの。楽にさせて…」と言ったあと、2人の手は離れ、澪奈は落ちてしまいました。

「澪奈が楽になるなら…と思い、手を離してしまった」というさくらの告白は、立てこもり1日目に、一颯にも話していました。その時一颯は、「お前のせいではない。俺を信じて、この事件を最後まで見届けるんだ」とさくらに伝えていました。スター的生徒が心を病んでいく様子に、心が痛みます…。

元教師の郡司が生徒たちに加勢

朝の8時になり、一颯が校舎の屋上に現れると、教室でライブ中継を見ていたさくらたち生徒は、一颯が真実を話したあと、屋上から飛び降りるのではないか、と動揺します。一颯を止めるために、全員で屋上へ向かいますが、爆破によって崩れたガレキが通路を塞ぎ、先に進むことができません。生徒たちが手作業でガレキの撤去を始めると、ガレキの反対側にいた郡司がそれに気づき、生徒たちを手伝います。

カメラ目線で感情を爆発させる、神がかりの熱演!!

一颯のライブ中継が始まります。一颯は、武智が世間からバッシングを受けることになったフェイク動画は、自分が作ったものだとバラします。ユーザーたちが不確かな情報で盛り上がったり、意見を変えたり、そんな愚かな行動をあぶり出すために、この事件を起こした。そして、立てこもった最大の理由は、SNSによる暴力を世に知らしめることだ、と叫びます。さらに、澪奈を殺した本当の犯人は、マインドボイスだと主張します。ネットの誹謗中傷が澪奈を追い詰め、死に追いやったと…。

ネットでは、一颯への攻撃が始まり大炎上。そんなユーザーに対して、みっともねえんだよ! 見苦しいんだよ! 逃げんじゃねえぞ! とブチ切れる一颯。マインドボイスは便利なツールではあるが、恐ろしい暴力装置になり得る、と訴えます。

「言葉は時として、凶器になる。誰か1人でもいい、踏みとどまってくれる人がいたら、俺がここに立っている意味がある…。その1人が10人になって、1000人になっていく。俺はそう信じている。だから、どうかあなたに届いて欲しい。聞いてくれてありがとう。Let’s think!」。そう言って、一颯はライブ中継を終了します。

「この瞬間をもって、俺の授業は完結する」

屋上の縁に立った一颯が飛び降りた瞬間、さくらが駆け寄り、一颯の手を掴みます。「先生死んじゃダメ! お願いだから生きてください!」。さくらは、今度こそ絶対に手を離すまいと、力をふり絞ります。と、そこへ「死なせてたまるかよ!」と駆けつけた甲斐隼人(片寄涼太)の手が重なります。他の生徒たちも間に合い、みんなで一颯を引っ張り上げます。

生徒たちに助けられた一颯は、さくらに「本当に景山の手を離したのか?」と聞きます。さくらは「違います…私は澪奈に生きて欲しくて、必死に手を掴んでいた…」と、やっと真実を話すことができました。「もう自分を責めるな。よく頑張った」と、泣き崩れるさくらに、一颯は優しく声をかけます。

チョウが羽ばたくと、地球のどこかでハリケーンが起きるという考え方があるように

一颯は、器物破損ほかの罪で警察に連行されます。去り際、3年A組の生徒たちに「みんなイイ顔してるな。卒業、おめでとう」と、爽やかに微笑んで…。

その後、マインドボイスで集まった身代金は、全額ユーザーに返金され、一颯は1年間ガンと闘ったといいます。この事件のあと、世の中が大きく変わることはなかった、と振り返るさくら。「あの10日間は、私にとって、青春でした。先生の想いが、私やクラスのみんなに届いたように、誰かに伝わって欲しい…」とさくらは願います。

視聴者も、一颯の人質だったのかも…!?

今期、回を重ねるごとに話題となった「3年A組−今から皆さんは、人質です−」。ネットで攻撃する側やされる側、いじめや自殺という現代の暗い側面を扱いながらも、特撮ヒーローが登場したり、武藤将吾氏の脚本に毎週ワクワク。

“今から皆さんは、人質です”という強烈なサブタイトルは、第1話で生徒に放たれた台詞ですが、じつはこの瞬間から、視聴者も人質として捉われ、3年A組の生徒たちと一緒に一颯の授業を受けていたとも言えるでしょう。

最終回を見終え、思い出したのが、映画「2001年宇宙の旅」の1シーン。猿人が動物の骨を、狩の道具として使い始め、やがて同類を殺す凶器となり、興奮したあげく骨を宇宙に放り投げるあの名シーンです。

ネットの普及で私たちの生活は格段に便利になりましたが、人を傷つける凶器になり得ることを知りました。ネット空間に投稿される無責任な言葉は、猿人が放り投げた骨のようにも見え…。そんな便利で危ういモノを使うならば、傷つける側、傷を受ける側にならないためにも、一颯の魂の言葉、しっかり心に刻みます!!

3年A組−今から皆さんは、人質です− 公式サイト
https://www.ntv.co.jp/3A10/

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