【#2】「このマンガがすごい!2016」2位『ゴールデンカムイ』野田サトルインタビュー| 「もっと変態を描かせて!」 (1/2)

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このマンガがすごい!WEB

「このマンガがすごい!WEB」×music.jpのスペシャルコラボ企画!「このマンガがすごい!2016」で見事、オトコ編2位にランクインした『ゴールデンカムイ』。作者の野田サトル先生のインタビューを特別掲載します!(全3回)


『ゴールデンカムイ』

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※作中、小文字で表現されている用語が、本サイト上ではただしく表記できない箇所がございます。()で囲まれた文字は、作中で小文字で扱われている文字となります。ご了承ください。

野田サトル先生 プロフィール

北海道出身。
2003年、「別冊ヤングマガジン」掲載の「恭子さんの凶という今日」でデビュー。
代表作はアイスホッケーに情熱を燃やす高校生を描いた『スピナマラダ!』。
現在は「週刊ヤングジャンプ」にて『ゴールデンカムイ』を連載中。
twitterアカウント:@satorunoda

ヒンナヒンナなアイヌ料理

——作中ではかなり料理や食事の場面をしっかりと描きこんでますよね。

思わず「今日の夕飯は……鍋にしよう」と思ってしまうほど、おいしそうな鍋! 「リスの肉団子」という未知の食材が、また食欲をそそる!

【野田】先ほど言ったように、構想の初期段階から「狩猟」というキーワードがあったんですね。狩猟というのは、捕まえて肉を食べて、毛皮や骨などを生活用品に利用したり、売ってお金にしたりするまで、すべてくっついているものだと思います。だから料理描写は必然でした。

——なるほど。アイヌ文化の豊穣さがわかるので、個人的にはアシリパさんの料理シーンはとても楽しみにしています。

【野田】アイヌを調べていくうえで、食文化は無視できないおもしろいものでした。食器とかもデザインがいいので、ぜひ細密に描いてみたかったですね。

こうした小物なども、先生は、実際に資料として集めていらっしゃるとのこと。

——多くの読者が、本作の料理シーンを見て「うまそう!」と感じてます。

【野田】チタタプという言葉の響きが受けたと思います。「ヒンナ」とか「オソマ」とか、簡単なアイヌ語は言ってみたくなりますからね。

編集部員が、魚と包丁で真似してみたところ、まな板を叩く音と「チタタ(プ)」という言葉のリズムが合わさり、なんともいえぬ多幸感に包まれたとのこと。

——「オソマ」、流行ってますね……。

【野田】いつか流行語大賞に選ばれるといいですね。「そんなもんクソ食らえ」と言ってやりたいです。

——アイヌ料理に対する知識がないので、あえて質問させていただきたいのですが、アシリパさんがことあるごとに、杉元や白石に動物の脳みそを食べるように勧めますけど、あれはアイヌ文化では一般的なことなんでしょうか?

【野田】どういうことですか?

——つまりその、日本人が外国人観光客に納豆を勧めるような、ちょっと相手の反応を伺うような意図があってのことなのかな? とも思ったんですね。

【野田】いや、明治後期生まれのアイヌ女性の手記では、獲れた動物はなんでも脳みそに塩をかけて生で食べていたようですよ。アイヌに限らず猟師のあいだでは、鹿などの脳みそは食べられています。その場合は火を通してますけど。

脳みそ、目玉、内臓……たびたびふるまわれる生肉たちは、ちょっと味わってみたいような、やっぱり遠慮したいような……。そんな複雑な感情から生まれるのが、この杉元たちの表情なのだろうか?

——あ、では一般的な食習慣なんですね。

【野田】僕もアナグマの脳みそを食べさせていただきましたが、おいしかったです。ヒンナでした。だからアシリパさんも、純粋においしいと思っているからこそ、杉元や白石に勧めているのだと思います。

——先生、実際に食べてらっしゃるんですね。

【野田】北海道へ取材に行ったときには、フプチャ(松の葉の新芽)をむしって、担当さんとカメラマンさんと僕の3人で、口に入れ、3人同時に吐きましたよ。

口にしたものは思わず吐き出さずにはいられない苦さのフ(プ)チャ。そういわれると逆に興味がわいてくるのはなぜだろう

——おお、3巻第22話と一緒のリアクションですね! ちなみに、これまで作中で描いた料理や動物で、とくに先生が気に入っているのはどれでしょう?

【野田】カワウソの頭でしょうか。調理された物の資料がないので、カワウソの頭蓋骨を見ながら想像で描いたんです。しかし、ジビエ料理のシェフに「よく描けている」とほめていただきました。お気に入りの動物は、やはりヒグマでしょうか。作中では便利な召喚獣になってしまってますけどね。大きなヒグマの敷物を持っているんですが……。

——えっ!

【野田】たまに頭から被って、クララのおばあさまの登場シーンの真似をしています。ひとりで。

——ひとりで!

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