コンセプトは「絶対に人が死なない」?注目の「波よ聞いてくれ」の是非見てほしい部分まとめ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

沙村弘明先生の9作目の連載作品として2014年から月刊アフタヌーンで連載している「波よ聞いてくれ」。今までの作品でもテンポの良さと内容の濃さのバランスが良いことに定評があった沙村先生の作品ですが、今回の連載はどうなのでしょうか。ここではそんな気になる「波よ聞いてくれ」の魅力を三つに絞ってご紹介します。


「波よ聞いてくれ」第1巻・沙村広明(著)(講談社)

その1。名前だけで連想してたものとは全然違う!いい意味での裏切られ感。

この「波よ聞いてくれ」というタイトルを聞いたとき、何を思い浮かべますか?「海をモチーフにしたサーフィン漫画かなにかかな。」そう思った人も多いと思います。しかし、よく考えてみると、「波」とは海だけに関連するワードではありません。この作品はラジオ局を舞台に巻き起こる奇想天外な物語。そう、このタイトルで言っている「波」とは、ラジオ局から発せられ、全国という海へ流れてゆく波、「電波」のことだったのです!

波よ聞いてくれ

舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露す...

試し読み

648円/巻

その2。そもそも出だしから普通の人では中々遭遇することのないシチュエーション。

事件の発端は北海道の札幌にて。主人公の鼓田ミナレは失恋した愚痴を酒場で知り合った人物にぶちまけます。その愚痴を聞かされる相手の職業はラジオ局員で、なんとその時ミナレが垂れ流した愚痴を録音していました。しかも、翌日にはその録音した音声がラジオの波に乗って流れてしまいました。それを知ったミナレは当然激怒しラジオ局に抗議しに行きますが、ディレクターの口車にまんまと乗せられて急遽ラジオで自分の恋愛観を叫ぶことに。才覚を見出されたミナレはその後ラジオ局にスカウトされ、ラジオ業界に携わってゆくことになります。

その3。ミナレは美人なのに残念で、残念なのに凄いところが愛おしい。

例えば、冒頭の部分でミナレはただの残念な一人の女性です。美人なのに見る目がない。普通の少女漫画であればここで颯爽と登場して助けてくれる格好いい男子が現れてもいいところですが、この作品に出てくる登場人物たちは男女ともに皆そろってどこか残念なのです。そう、これは青年誌。ミナレには武器があるのです。その武器の存在には本人も気づいていませんでしたが、それは美貌でも、恋愛経験でもなくミナレ自身の「アドリブ力」。普通、ラジオには脚本家が事前に書いた台本があり、その構成に沿ってパーソナリティが必要とあればアドリブを交えながら話を進めてゆくのですが、この作品では殴り込みに行ったミナレはそのままオンエア室に通されるわけですから、当然台本などは無しで喋っている、いわば全てがアドリブの状態。普通クレームを言いに行った会社で「全国生放送に使うから今ここで自分の恋愛体験を面白く喋ってよ、生放送だから失敗はしないでね、黙りこんだり噛んだりもしないでね。」と言われてできる人は中々居ません。そこが、これからラジオ界を担って行くミナレの武器となるのでした。

いかがですか?生放送のラジオは、話した内容がそのまま放送されてしまう怖さがあります。黙って考え込むこともできませんし何を話せば正解なのか選んでいる暇もありません。それを判断する能力は天賦の才か相当な努力でしか手に入れることはできないものですが、ミナレは前者でした。また、失恋しなければ見つける事もできなかった才能です。これをご覧の皆さまにも、自分では気づけなかった意外な才能が、ふとした瞬間に見つかるかもしれませんね。

<<

<

  • 1

>

>>

この記事のジャンル/テーマ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今、あなたにオススメ

この記事の関連ニュース

PAGE
TOP