【朝井リョウ】直木賞史上初の平成生まれ! おすすめの小説5選

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今、最も注目される若手作家の一人、朝井リョウ。平成生まれ初の直木賞作家としても有名です。大学生のときに作家デビューを果たしますが、社会人経験を積むために会社員として務めながら小説を書くというスタイルでも話題となりました。今回は直木賞受賞作をはじめ、他にもおすすめの小説を紹介していきます。


「武道館」朝井リョウ(文藝春秋)

『何者』

第148回直木賞受賞作である『何者』。平成生まれの作家が史上初めて直木賞を受賞し、なおかつ当時、戦後最年少での受賞ということでも話題になりました。就職活動を通しながら、学生と社会との間にある葛藤を丁寧に描いています。就職活動に苦労しながらも頑張っている者たちが集まるのですが、その面々はそれぞれが違う人間性を秘めています。SNSのアカウントを複数持つことで本音と建前を使い分ける者や、画一的な人間性を拒絶するようにモラトリアムを過ごす者。彼らは時に主義主張をぶつけ合い、衝突することもあり、それぞれが個人のアイデンティティーを確立するために必死です。この小説は、現代を象徴する位置づけの作品として、直木賞選考委員から高い評価を受けました。

『桐島、部活やめるってよ』

朝井リョウの原点ともいえる作品が『桐島、部活やめるってよ』です。第22回小説すばる新人賞受賞作で、本作をきっかけに作家デビューを果たしました。当時、彼はまだ早稲田大学に在学中であったため、リアルタイムで青春時代を送る書き手から生み出された小説ということも相まって大きな注目を集めた作品です。

バレー部の主将だった桐島が部活をやめた後のことを、彼の同級生5人の視点から描くストーリーです。桐島自身が作品中に直接は出てこないものの、その存在が不思議と浮かび上がってくる内容になっています。このあたりに、彼の手腕が光ります。この小説は映画化され、日本アカデミー賞で最優秀作品賞をとるなど人気となりました。

桐島、部活やめるってよ

映画化大ヒット小説! きっかけは、キャプテンの桐島が突然バレー部をやめたことだった。そこから波紋が広...

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『もういちど生まれる』

『何者』が直木賞を受賞する前に、一度目の直木賞ノミネートとなったのが『もういちど生まれる』です。何人かの若者の生活にスポットをあてて、それぞれが懸命に生きていく姿を描いた青春小説になっています。朝井リョウの瑞々しい感性が窺える描写が多いのが特徴です。直木賞の選評では、選考委員の北方謙三が「いまを描いた青春小説として秀抜」と絶賛しており、その才能は既に好評を得ていました。

もういちど生まれる

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う...

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『世界地図の下書き』

直木賞受賞後第一作となったのが、『世界地図の下書き』。こちらは一転、児童養護施設にいる子どもたちが主人公となった小説です。小学生の友だちからは直接的ではないものの差別を受けて心を痛める主人公ですが、それでも健気に生き抜いていこうという姿勢が、見る者に勇気と感動を与えてくれます。主人公たちは地域行事や学校の学年行事などを通じて、絆を強めていきます。地元に古くから伝わる伝統行事を自分たち主導で行おうとするラストへの展開を経て、希望あふれるラストで締めくくられており、読後感が爽やかな小説です。朝井リョウの、温かな人物描写が光る快作となっています。

世界地図の下書き【電子特別版】

【電子版限定特典つき】突然の交通事故で両親をなくし、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことにな...

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『武道館』

朝井リョウの記念すべきデビュー10作目となったのが、『武道館』です。武道館公演を目指すアイドルにスポットを当てて、その成長物語を描いています。アイドルならではの苦悩も織り交ぜた内容で、興味深いです。現役アイドルである「でんぱ組.inc」の夢眠ねむがこの作品を実際に読んでおり、その感想もチェックされるとおもしろいでしょう。

まだまだ若い彼ならではの感性を作品にぶつける世界観は見事です。今後の彼の成長とともに、彼の作品も成熟度をさらに増していくことでしょう。

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