世界観に浸れ!思わず星空を見上げたくなる おすすめの極上SF小説

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吉野 治

夏の夜は都会の喧騒を離れ、海や山の避暑地から星空を見上げたくなりませんか?


「虐殺器官」伊藤計劃(早川書房)

宇宙に思いをはせるうち、そういえばSFってあまり読んだことないなあ…と思ったあなた! 夏休みの旅行のお供に、読みごたえのある名作SFを一冊忍ばせてはいかがしょう。 

「夏への扉」

とにかく冒頭1ページから溢れ出る、ネコあるある感がたまらない。「夏への」扉とあるように、季節は夏ではありません。冬も冬、凍てつく寒さの12月。主人公はバーでネコ相手に酒飲んでるとか、負け組感半端ない。恋人に裏切られ、仕事仲間にも裏切られ、心の中も凍てついた状態。

もうこうなったらとことん凍ってしまえ! と「冷凍睡眠」してしまおうとするのだが…という展開にくわえてタイムマシンも登場し、盛りだくさんのプロットながらも、すべてがきれいに着地する美しい展開。SFなのに懐かしいような独特の世界観は、ネコの登場も大きいかも。

夏への扉

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれ...

「流れよわが涙、と警官は言った」

映像化された作品が多いフィリップ・K・ディックだが、未だに映像化されていない名作。主人公は3000万人のファンを持つ、マルチスターのタヴァナー。ある日安ホテルで目覚めると、彼のことをなぜか誰も覚えていないことに気づく。友人や恋人からも忘れ去られ、この世に存在していなかったことになったタヴァナーは、警察から追われながらも真相を究明しようとするのだが…

タイトルも含め、物悲しさに溢れたこの作品は、映画「ブレイドランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と比較して読んでもおもしろいかも。

流れよわが涙、と警官は言った

〔ジョン・W・キャンベル記念賞受賞〕三千万の視聴者から愛されるマルチタレントのタヴァナーは、ある朝安...

「虐殺器官」

34歳で早逝した伊藤計劃のデビュー作にして傑作。
後進諸国で虐殺を先導しているとされる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへ向かう米軍大尉。彼の目的とは何か? 大量殺戮を引き起こす“虐殺器官”とは何なのか? アメリカの“バドワイザー”はチェコの“ブドヴァイゼル”というビールの名前をいただいたのだ、といったようなディテールの描写の見事さが、物語に厚みを持たせています。今秋、劇場アニメ版が公開予定。 

虐殺器官

9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃し...

「言語都市」

今回紹介する中では、唯一存命の作家。言い換えれば、今後の新作も期待できます。辺境の惑星の居留地エンバータウン。先住種族アリエカ人は、口に相当する2つの器官から同時に2つの声で発話するため、人類は意志疎通できる能力を備えたふたりで一組のクローンを生成し、彼らを大使としていた。平穏だったアエリカ人の生活だったが、新しく赴任された大使のせいで大きな変化が訪れる…

代表作「都市と都市」でも、映像化しにくい独特の世界を作り上げたチャイナ・ミエヴィルは、ここでもこちらの想像力が試される世界を提供。その分、読みごたえはあります。あっさり味に飽きた人にはぜひ。

言語都市

遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地〈エンバシータウン〉を建設し、謎めいた先住種族と共存を続...

「銀河ヒッチハイク・ガイド」

最後は笑える作品を。銀河バイパス建設のため、ある日突然地球最後の日がやってきた! 平凡としか言いようのないイギリス人、アーサー・デントはたまたま地球にいた宇宙人と宇宙でヒッチハイクするはめに。必須なのは、「銀河ヒッチハイク・ガイド」というガイドブックと…タオル?

SFらしく宇宙船だの宇宙人だの“無限不可能性ドライブ”だのが出てくる一方で、遠く離れた惑星から聞こえてくるメッセージが留守電の録音とか、バカバカしくてイギリスらしいユーモアにあふれた作品。TV化のほか、2005年には映画化もされてます。

銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の...

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