【今週の泣ける一冊、笑える一冊】「蜩ノ記」と「民王」、どちらもおすすめです!

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大森謙治

週に一冊読書をしよう! 何を読もうか悩んでいる方は参考にしてください。2月最初の作品は、文体が読みやすく設定が面白い作品を二本ご用意しました。


「民王」池井戸 潤(文藝春秋)

■泣ける一冊「蜩ノ記」

時代小説の名手、葉室麟の手による第146回直木賞受賞作。斬新な設定で日本人の死生観と愛に迫る…。同じ境遇ならあなたは何を思い、何を感じますか?

処は豊後羽根藩。そこの藩士秋谷は藩主の側室と密通しており、それに勘づいた小姓を斬り捨てた罪で向井村に幽閉。それまでに取り組んでいた藩の系譜を完成させる役目を担い、それが完了する10年後に切腹という異例の猶予期間が設けられている。

一方、庄三郎は城内で文を認めている最中に、隣席の水上信吾の顔と拝領紋入りの裃に墨が飛んでしまい、怒った信吾に斬りつけられた…それを咄嗟に居合で凌ごうとしたが、運悪く信吾の足に深手を負わせてしまったために処分を受ける。
本来は切腹もの者の不祥事ではあるが、切腹が3年後に迫った戸田秋谷が、命を惜しんで逃れようとするのではないかと訝しんだ藩。藩の系譜を作成するに辺り機密事項を全て把握している秋谷が藩を逃れては藩の平和を脅かしかねない。そして、自身が起こした過去の事件についてどのような記述をしているのかを把握したいという事情から庄三郎に秋谷の監視役を命じた。「秋谷が切腹を逃れようとした場合はその家族もろとも斬り捨てよ」という非常なる御役目を仰せつかうのであった。
しかし、秋谷の誠実で実直な人柄に触れるにつれ、庄三郎は過去の事件に疑念を感じ事件を調べることに…。
そこには衝撃的な真実が待っていたのである。

武家社会の潔さが存分に表現されている作品。人間の心の美しさや、愛を感じたい方におすすめです!

蜩ノ記

命を区切られたとき、人は何を思い、いかに生きるのか―。幽閉中の武士・戸田秋谷の気高く凄絶な覚悟と矜持...

試し読み

■笑える一冊「民王」

硬派なイメージを払拭した、池井戸潤による重厚感皆無の軽〜い小説。

ある日突如、内閣総理大臣の武藤泰山と、そのどうしようもないドラ息子翔の中身が入れ替わった! 戻し方もわからないので、混乱を避けるため、お互いがお互いを演じながら生活することに決めた親子であったが。なんせ父の仕事は、内閣総理大臣! 一国をまとめる国のリーダーである。秘書の貝原の書いたカンペを読みながら国会答弁を乗り切ろうと思っていたが、ろくに勉強もしていない翔は漢字が全く読めなかった…。
回避を「かいさけ」、有無を「ユウム」、未曾有を「ミゾウユウ」などと読んでしまい非難を浴びることになる。
政治家という意識のない翔は、思ったことをそのまま口に出してしまい貝原は頭を抱える子こともしばしば。彼の周囲はハラハラさせられっぱなしになってしまう。

一方泰山は、就職活動中の息子の代わりに就職活動をすることに。首相なら楽勝のように思えたが、その知識と弁論力そして、高圧的な上からの喋り方が仇となり、面接官を論破し説教してしまう。しかも、第一志望の有機野菜の会社のビジネスの方向転換にたいしても、議員のように熱く、夢をあきらめないで欲しいと言ってしまう始末…。そのため、どこの試験も落とされてしまい、意外にも困難を極めていた。
そんなある日、実は親子の中身が入れ替わっているのは、自分たちだけではないことが解り。その謎に迫ってゆく!

テンポ感がよくサクッと読めてしまう作品。親子の噛み合ってるのかいないのかわからない会話とちょっとしたブラックジョークは、電車の中で読むには危険なほど面白い作品です。

民王

夢かうつつか、新手のテロか? 総理と息子の非常事態が発生。「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わな...

民王

テレビドラマ 国内ドラマ コメディ ヒューマン 社会派

製作年:2015年

入れ替わった父とバカ息子。「天然総理」がニッポンを変える!

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